釧路川リバーガイド一家のシンプルライフ | |
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◆豚さんを飼ってみました その1 ![]() ◆手作りの「ワラの家」が完成しました ◆日本で一番遅い春、ようやくやってきました ◆雪と氷と吹雪…冬の原野の暮らしです ◆秋のごちそうをいただきます ◆北の果て、天塩川(てしおがわ)をゆっくり旅してきました ◆ただ今、カヌーシーズン真っ只中です ◆新緑の恵みを楽しんでいます ◆川のほとりで暮らしています |
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釧路川リバーガイド一家のシンプルライフ ◆川のほとりで暮らしています |
■はじめまして ------------------------------------------------------------------------ 今月から、北の大地の暮らしぶりをお便りすることになりました、北海道の木名 瀬さなえです。ビッグスケールの大地に、ぽつんと建てた小さな小さな家に住み、 一家でカヌーのガイドをしています。北の国のつれづれ話、時々読んで北の大地 に思いを馳せていただければ幸いです。 私達の住む北海道・弟子屈(てしかが)町は、夏と冬の気温差60℃の、生活する にはちょっと厳しい場所…。でもまだまだ自然が残るこの大地で、開拓者魂あふ れる力強いじーちゃん・ばーちゃん達にいろいろなことを教わりながら、北の豊 かさをかみしめて生活させてもらっています。 ▼弟子屈町HP http://www.hokkai.or.jp/tesikaga/index.html ここで暮らし始めて8年、夫と私だけだった「一家」も4年前からは小さな息子が 加わりました。 釧路川のほとりに建てた小さな自宅は、最初は見わたす限りの草原にぽつんと建 った「大草原の小さな家」でしたが、一軒、また一軒と家が建ち、今ではちょっ とした集落になっています。でも近所には学校も商店も全くなく、私の日課は、 9km離れた街の保育園まで、日曜をのぞく毎日、息子を送り迎えすることです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■私たちは川の案内人です ------------------------------------------------------------------------ カヌーのガイドの仕事、と言うとちょっと分かりにくいかもしれませんが、要は カヌーを使った川の案内人です。 主に3泊4日や4泊5日、時には6泊や10泊、キャンプをしながらの川旅へご案内し ています。カヌーの中にはテントや寝袋、鍋、食器に食材、テーブルにイスと、 生活用具をぎっしり詰め込んで…。 もちろんキャンプばかりではなく、半日や1日の短い旅へもご案内しています。 ▼川風が気持ちいい http://city.hokkai.or.jp/~kinase/ 年に何回かは、ホームグラウンドの釧路川を飛び出して、北海道内、そして本州 のいろいろな川で遠征ツアーも行なっています。ハイエース(ワゴン車)にカヌ ー、生活用具を一式積んで、家族全員で出かけるのです。 ▼旅するハイエース |
釧路川リバーガイド一家のシンプルライフ ◆新緑の恵みを楽しんでいます |
■芽吹きの季節はにぎやかです ------------------------------------------------------------------------ 夏至も近づき、ずいぶんと日も長くなってきた先日のことです。 暗くなりかけた道を急いでいる時、家の前でぴょんぴょんと道を横切る2匹の動 物を息子が見つけました。 「あっ!鹿だ!」の声に、えっ、どこどこ…とあわてて目をこらして見てみると、 人の気配に驚いて身動きもせずにたたずんでいる、茶色い大きなウサギ達。我が 家の敷地内で、しかもこんなに間近で見たのは私も初めてで、息子と二人で大喜 びでした。 ウサギが増えてきている、と最近よく耳にします。 野生のウサギは、弱肉強食の動物界においては、ピラミッドの底辺に生きていま す。ウサギが増えれば、動物が増えている証し…とか。 少なくとも、我が家周辺においては、ウサギが増える=キツネが減った、という ことは言えそうです。 家の前で目にした2匹のウサギが、どんなことを意味しているのか、今はまだ私 にも分かりませんが、静かに見守っていきたいと思います。 何はともあれ新緑の季節。 カッコウやツツドリがやかましく…いや、にぎやかに鳴き始め、畑の春耕も始ま りました。もちろん、我が家の小さな畑にも、畝(うね)が切られ、種がまかれ ています。 ほうれん草やサラダ菜、大根やニンジン、お芋やブロッコリーが、かわいらしい 芽を出して、畑を彩っています。 牧草地では、タンポポたちが一面に風に揺れ、黄色いじゅうたんのようです。 そして、その上には肥料となるべく、牛に由来する堆肥が撒かれ、その匂いでも、 ああ、もうこんな季節なんだな、と感じるのです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■おいしい山菜の季節が始まりました ------------------------------------------------------------------------ 暖かくなってきたこの時期、楽しみは、やはり山菜。 我が家のまわりにも、ちょっと足を延ばせば、さまざまな美味しい春の幸があっ ちにも、こっちにも。 クレソン、三つ葉、ギョウジャニンニク、ふき、コゴミ、山ウド、ワラビにゼン マイ… 中でもコゴミは、庭にたくさん生えているので、息子は一人でせっせと摘んでい ます。 ▼我が家の薪小屋の前で、コゴミ採集に励む息子 |
釧路川リバーガイド一家のシンプルライフ ◆ただ今、カヌーシーズン真っ只中です |
■夏が来た?ほんとに? |
釧路川リバーガイド一家のシンプルライフ ◆北の果て、天塩川(てしおがわ)をゆっくり旅してきました |
■ナナカマド、タンチョウヅル…秋の到来を感じて 今回は、全部で11食。メニューは事前に考え、仕込みをしてツアーに臨みます。 外で食べるご飯ですから、キッチンも外。小さなテーブルを調理台に、食材を切 ったり刻んだり。水は近くで汲んできたものを大事に使います。調理用のバーナ ーも持っていきますが、滅多に使うことなく、ご飯を炊く、シチューを煮る、薄 焼き卵も焼き魚もパンケーキも、ほとんどすべて焚き火で調理します。 だから、まず料理を始める前に、薪拾い。薪を拾うのは、主に息子の仕事です。 キャンプ地は毎日変わるので、行く先々のキャンプ地で薪拾いが待っています。 私は、車から機材を降ろすのに大忙し(時には車から河原までが、とっても遠か ったり、ヤブを越えて行かなくてはならなかったり…。なかなか時間がかかるん です)。せっせと機材を降ろしている間に、息子が薪を拾ってくれています。 薪も手近にわんさかあればいいのですが、大抵は広い河原のあちこちに点々とし ています。それを息子は何の苦もなく…と言いたいところですが、実際は「あと 何回運ぶの〜」などと、チョッピリため息をつきながら集めてくれます。 薪を集めるよりも、早く石やら貝やらで、水遊びしたいのです。でも珍しい形の 薪を見つけると、大喜びで「これは燃やさないでね!」と言ったりします。(え 〜っ!燃やしちゃだめなの…) 汗を流して集めた薪。貴重です。でも薪拾いは当たり前の事なので、大げさに誉 めたりはしません。心をこめて「ありがとう」と言います。 今回はツアー中、天気に恵まれ、薪はいつも乾いていたので、火をおこすのもラ クチン。おかげで料理も大いに、はかどりました。もちろん、ゲストのみんなに も手伝ってもらうんですよ。そして「秋」は北海道の美味しい食材がいっぱい手 に入る時期です。 秋の川べの夕ごはんはこんな感じ。 ・かりかりナッツと秋刀魚のレタスサラダ ・自家製大根とニンジン、スペアリブの梅ポトフ ・茹でトウモロコシ ・秋鮭のちらし寿司 ・揚げじゃがと自家製ベーコンのソテー ね、秋は食材がいっぱいなんです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■旅はゆっくり進んでいきます ------------------------------------------------------------------------ 乾いた風は気まぐれに大河を吹き抜けます。時おり姿を現すオジロワシ、山をこ だまするツツドリの声…。 朝起きると、川面からは気あらしが立ち上っています。もやが消え、太陽が昇り、 一日がスタート。テントをたたみ、荷物をカヌーに積んで、川へ出発。 夕方キャンプ地に着き、みんなで焚き火を囲む。あんな話、こんな話…。一人一 こんな大河も冬には一面結氷し、まっしろの川路となります。冬の間、ずっと眠 次回は、初秋の釧路川の風景と、美味しい話題をお届けします(予定) ======================================================================== ◆釧路川カヌーツーリング[Voice of Wind] http://city.hokkai.or.jp/~kinase/ 今年の紅葉は、近年では久しぶりの美しさ。釧路湿原も黄金色に染まっています。 秋の彩を愛でる釧路湿原のカヌー、10月いっぱいまでは楽しめます。 text by 木名瀬さなえ ----------------------------------------------------------------------○ |
釧路川リバーガイド一家のシンプルライフ ◆秋のごちそうをいただきます |
■秋も、もうすぐ終わりです ------------------------------------------------------------------------ 美しい紅葉は、山の葉っぱの饗宴。散りゆく前にと、最後に、せいいっぱいのお めかし。雪虫がちらちらと舞い始め、紅葉は枯れ葉となって、また山へと還って いきました。葉が落ちた山は、ひと回り小さくなり、ジッと冬を待っています。 カサカサッと乾いた風が吹いて、澄みわたった秋の青空に、クワークワーと響く のは、シベリアから帰ってきた白鳥の一陣の声。長い冬を、暖かな屈斜路湖のほ とりで過ごします。どこか物哀しい風景、それでいて大好きなこの季節です。 小さな我が家の畑で採れる露地物野菜は、霜の近づく頃になると、もうニンジン くらいしか収穫できません。でも、なぜかこの時期になると、どこからか美味し い野菜たちが、たくさん我が家にやってきます。 近所の農家の方、友達の家、どこへ顔を出しても「大根いるかい?」「キャベツ 持ってきな」「カボチャはあるかい?」「ホウレン草、置いておくからね」 時には、「あんたんとこの漬け物も漬けといたから、早く取りにおいで」と、電 話を頂くこともあります。おかげで野菜を買うことはほとんどないくらいで、本 当にありがたい限り…。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■山ブドウ採りは宝探し! ------------------------------------------------------------------------ 忙しい秋には、大事な仕事が待っています。我が家恒例の、"山ブドウ採り"です。 たくさん採ってきて、それを一年分のビネガーに加工するのです。 「山ブドウはナ、ひと霜当たった頃がいちばんいいんダァ」 北海道へ引っ越してきて、じっちゃんたちにそう教わってから、毎年教えは忠実 に、"ひと霜あたる"のを待って出かけます。 今年も10月の半ば過ぎ、息子と二人でブドウ採りへ出かけました。車を運転しな がら、左右の木々に目を光らせます。探す時の目印は、山ブドウの紅色の葉っぱ。 どれかな、どれかな…どこかにないかな…? 「あ!あった、あったぁ!」 息子の歓声に振り向いてみると…葉っぱは立派だけど、実のついていない山ブド ウだったり。(実のならない山ブドウの蔓は"オスの木"と呼んでいます) あちこちと、きょろきょろしながら進んでいくと、あったあった! たくさん実のついている蔓を発見!まるで宝物を見つけたような気持ちです。 ▼山ブドウ、みーつけた! |
釧路川リバーガイド一家のシンプルライフ ◆雪と氷と吹雪…冬の原野の暮らしです |
●凛とした冬には、すがすがしい「青」が似合う ------------------------------------------------------------------------ 前回お便りさせて頂いた時は、まだ秋の終わり頃でしたが、季節はあっという間 に冬へと移ろい、年号も2004年になってしまいました。 新しい年も、どうか世界に善い時間が流れますようにと祈りつつ、また今年もお 便りさせて頂きたいと思います。 北の大地は今、冬の真っ只中。 「冬」を色で表すとすれば、私はやっぱり「青」が一番ぴったりだと思います。 どこまでも透明で澄みわたった蒼空。 雪を掘った時の不思議なアイスブルー。 そして摩周湖の深い濃紺。 冬の弟子屈(てしかが)は厳しい環境です。日によって、そして時間によって、 激しく気温が変化します。 朝方、氷点下25℃まで冷え込んだと思えば、日中は+5℃、そして暖かい室内に 入れば、+20℃前後と、外気温と内気温の差は多い時で40℃を超えてしまうこと もあります。 もし夏にこれだけの気温差が生じたら…。 日中は+30℃の猛暑で汗をだくだくかいて、夜には0℃まで冷えこむ…。何だか すぐに風邪を引いてしまいそうですね。でも冬は何故か平気なんです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●「寒さ」も「美しさ」に変わる ------------------------------------------------------------------------ こんな厳しい環境だけに、またその美しさも、とびっきりです。夏には水をたた える湖も、冬には凍って上を歩くことができます。 うんと冷えた朝には、木々が真っ白になる「霧氷」や、空気中の水分が凍って降 ってくる「ダイヤモンドダスト」が見られます。 笹に覆われたヤブの斜面も、どこまでも続く白い雪原となって、上を歩く私たち の足元で眠っているかのようです。 そして美しい冬の夜。 澄みわたった空気に満点の星空。吸い込まれてしまいそうな程の星の数です。冷 えた日は、息子と外へ出てみます。 夜の空へ向かって「ふ〜っ」と息を吐き出す…そこへライトの光を当てると、白 い煙のように立ち上る息の湯気がまたたく間に凍って、キラキラと氷の粒になり ながら降ってくるのが見えます。 ふ〜っふ〜っ…息子は寒さも忘れて、髪の毛が凍っているのにも気がつかず、夢 中になって息を吐き続けていました。 この冬、私たちはそんな北の大地の冬の山・湖・森をご案内する、小さな旅のガ イドをしています。スノーシュー(かんじき)や小さなスキー、山や森を歩く道 具たちが大活躍です。―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●猛吹雪がやってきた! ------------------------------------------------------------------------ もともと雪の少ない道東地方なのですが、今年のこの雪の多さといったらどうで しょう! 1月の中旬、私達の住む弟子屈町は、猛烈な吹雪に見舞われました。冬には必ず 訪れる吹雪ですが、今回の吹雪はその中でも最大級。ごーごーとうなり声をあげ ながら襲いかかってきた、この白い竜は、4日間にわたって暴れ続けました。 原野の中の我が家は、風の通り道に建っているので、吹雪のときは、数メートル 先も見えぬ真っ白な世界になります。 窓の外は、本当に白一色。風速は、30mを軽く超え、時には40mもの突風になりま す。目を開けていることも出来ない、荒々しい世界。我が家と国道とを結ぶ、400mの細い道路は、全て背丈ほどの高さの雪で埋めつく され、吹雪の続いた4日間、完全なる陸の孤島と化していました。 そんな陸の孤島状態にも、停電にも、不安を感じるのは大人だけ! 子どもにとってはなんだかワクワクするような楽しい時間だったようです。 保育園にも行けない、ふいのお休み。初めての水彩画に取り組み、一心不乱に筆 を握っていました。 非常事態の中にあっても、いつもと変わらぬ能天気な息子の姿を見ていると、こ ちらもなんだかふぅ〜っと力が抜けてきます。 そして、電源不要の薪ストーブの暖かさや、地下から湧き出る力強い水の頼もし さを、改めて実感します。それと同時に、原野で暮らすことの意味も考えます。 もしもこんな状況で急病人が出たら、と思うと少し怖くなってしまうのも事実で すが、吹雪の中で救急車が来るはずありません。それが原野で暮らすことなので す。いつでも誰かに助けてもらいたいのであれば、街に住むのが一番です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●雪の恵みを思う存分楽しんで ------------------------------------------------------------------------ さてさて、やっと雪がやんだ!吹雪が始まってから4日目の朝です。 ▼重装備の父と子。後ろの窓から脱出して、これから雪かきをするのです |
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